発熱ソックス
1997年、今では当たり前になった発熱素材もまだ
聞きなれない言葉だった頃、自衛隊の売店より、
「暖かくて、足の負担を軽減する靴下はできないものか。」
と相談を受けました。
自衛隊の隊員は重い半長靴(安全靴)を履いて数日間、
雪の野山を歩き続ける厳寒訓練につくのですが、
とにかく足の疲労・寒さによるしもやけがひどい。
暖かそうな靴下を試しても効果はなく、
なかなか「これ」といった商品が見つからないとのこと。
当時弊社は、作業用靴下を主に生産していたことから、
ファションやデザインよりも、機能を生かした商品作りを
得意としていたこともあり、
開発の白羽の矢が向けられたのでしょう。
過酷な環境下で頑張っている隊員の方々に、履いて良かったと思ってもらいたく、
コストは度外視し最高に暖かく、履き心地の良い靴下作りに取り組みました。
特にこだわったのは素材。
保温や風合いに優れたラムウールにアンゴラを配合し、
さらにムレを防ぐため、吸汗速乾に優れた特殊アクリル『ドラロン』を混紡。
まさに『履く高級セーター』。
高級なセーターにも負けず劣らずの素材を使い、履き心地の良さを追求しました。
素材を生かし、当社の編みの技術を駆使し、機能にもこだわる。
負担がかかり保温を特に必要とするつま先から足首までは生地をループ状に編み、
足首からふくらはぎのサポート部は、足の形状に沿った編み地構造の
ファッショニング編みを採用しました。
それこそ当社の持てる技術をすべてこの靴下に注ぎました。
駆使して仕上げた靴下のモニターテストは好評でした。
しかし、まだこれでは、『極寒に耐える』とは言いがたい。どこか不満足さを感じていたとき、
東洋紡の『発熱繊維モイスケア』にめぐり合いました。
まだ、「発熱」という言葉の認知されていないときでした。
「水分を熱に変える」そんな機能を持つというこの素材に私共も疑心暗鬼でした。
暖かさを追求していく中で、このモイスケアはもう一歩を埋めててくれる素材なのか…
期待と不安を胸に、『発熱繊維モイスケア』を配合した素材で靴下を編んでみました。
結果は前回よりさらに好評を得ることが出来ました。
モイスケアの配合が、もう一歩足りなかった1ピースを埋めてくれたのです。
モイスケアの繊維の力、配合の技術、編み立ての機能これらが集結し、
弊社が誇るロングセラー商品、『発熱ソックス』が誕生したのです。
以来、自衛隊の隊員の方からは感謝の言葉がたくさん寄せられ、
カタログ通販では、一般の方へ長きに渡りご愛顧いただいております。
今後はさらに追求し、ファッショナブルで機能的にリニューアルできればと思っております。
発売当初の発熱ソックス |
発熱ソックス特厚タイプ(男女用) |
発熱ソックス5本指(男女用) |